【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第7章 終わりが傍まで、ついてくる。
【一松】(過去)
「一松!」
「……………」
「部屋に入るぞ、いいか?」
「…………」
黙ってる。今考えると、なんで自分は神父を無視してたんだろ。
彼は悪くないのに。
だけど、当時自分は胸の中がどろどろしてて、考え事をする度心臓がキュッてなる感覚があった。
「…無視するなら、勝手に入るからな。」
それでも一松は黙ってる。勝手に入れってこと。黙ってるってことは、喋ることすら否定すること。
何があっても、『ありがとう』も『ごめんなさい』も言えない怠け者。
なのに入ってきたカラ松神父は何故か微笑みながら右手に十字架のペンダントを持っていた。
枝を組み合わせたような木の十字架に無理やりくっつけた金属のチェーン。それでなんとなくその十字架が赤く見えた。
「いいだろう。俺の手作りだ!なかなかいい感じに出来たと思う。そうだろう?」
自信家は自分で作った十字架のペンダントを自慢しに来た。