第1章 機械の噂
「君、所属は?」
「あなたに関係ないでしょ」
手には大量の書類。
「それ全部1人でやるのかい?」
「他に誰か居る?ここに」
「居ないけど…大変じゃないの?」
「別に」
冷たいなぁ。
「手伝おうか?」
「要らない」
「でもさ…」
「必要ない」
「あのねぇ、一応僕の方が歳上なのよ?
尊敬しろとは言わないけど、もう少し言い方ってものがあるでしょ?」
「そういう態度を取るに値しない、と判断しただけ。
私の判断基準は私より上か下か。
あなたの実力は知らない」
「んー、それもそっか。
僕は脳神経外科の神崎純、宜しくね」
「…」
一方の彼女は僕を一瞥しただけでそれ以降の反応はない。
「君の名前は?」
「…あなたが知る必要はない」
「もう、いい加減にしないと僕怒るよ?」
「好きにすれば良い」
私には関係ないことだ。