第8章 それが
「それが、神那ちゃんとの出会い」
「そうだったんですね...!」
目をキラキラ輝かせる水原。
「その後、僕らのここでの生活が始まったの。
僕最初の頃は酷かったなぁ。
どれを持っていけば良いか、判断難しいんだもん。
訳分かんなくて全部の機材持ってこうとして神那ちゃんに怒られたり」
そう、苦笑する。
「やっぱり神那ちゃんから学ぶことは多かったな。
精神的な面も、技術も。
あ、でもたまに笑顔とか気遣いとか僕を見習って欲しい時もあったけどね」
「外科医には必要ない。
腕さえあれば、生きていける」
「そうだけど、それじゃまた患者さんと喧嘩しちゃうでしょ?」
と、いつもの口喧嘩が始まる。
神那先生と神崎先生の、いつもの日常が。
おわり。