第1章 機械の噂
「霜月?
ちょっと聞いたことないなぁ」
「神崎先生はお忙しい身ですからね。
存じ上げないのも無理はありません。
遅れてるだなんて、これっぽっちも思ってませんから」
と、にっこり。
「あ、ありがとう」
なんだか複雑。
「興味がおありですか?」
「まぁね、どんな子かなって」
「わたくしは個人的に好きですよ。
今時珍しいぐらい強くて真っ直ぐで」
「へぇー」
どんなイケメンくんなのかね。
この厳しい師長が褒める人なんて。
「この時間帯でしたらきっと図書室に居ると思いますよ」
「ん、おっけ〜。
ありがとね」
「いえ」
師長さんにお礼を言ってから図書室へ向かう。
どんな子かなぁ。
頭の中で色々な顔が流れる。