第1章 機械の噂
「んーっ…今日も疲れたねぇ」
最後のオペを終え、身体を伸ばす。
「なぁ、聞いたかお前。
機械のアレ」
「アレ?なんのことだ?」
機械…?
「え、知らねーの?
外科じゃ有名な話だぞ」
「わ、マジ?
教えて教えて」
あの子達は確か…外科の子か。
「機械がまた上層部に噛みついたんだと。
今度は部長のオペにイチャモンつけて。
上はもうカンカンだぞ」
「わ、マジかよ。
あいつもよくやるなぁ」
機械って医者のこと?
「ねぇ、君達」
「か、神崎先生⁉︎」
「その話詳しく聞かせてくれるかな?」
僕個人として興味がある。
「いえ、その…」
「「し、失礼します」」
なんなの、もう。
僕そんな怖い顔してないよ?
酷いなぁ。
こうなったら彼女に聞こ。
そう思って目的地を変える。