第6章 引き抜き
「別に今すぐに答えを出せ、という訳じゃない。
そうだな………3日だ。
3日で答えを出して欲しい。
引き受けるも、断るも、もちろん2人の自由だ。
断ったからどうとか言うものはない、約束する」
「答え分かりきってるのにそういうこと言うのは狡いと思うけど」
「念の為、だ」
「んん〜…もう少し説明聞いても良いですかね?」
「あぁ。
引き受けることになったら、設備のある亜城西病院に行くことになる。
その場合は向こうの救命に身を置き、フライトドクターをして貰う」
「なるほどねー………」
「ちなみに俺も向こうへ行くことになっている。
俺はフライトドクターではないが、救命には居る」
「青島」
「ん?どうした?霜月」
「私は引き受ける」
迷うことなく、答える。
「良いのか?」
「当然。
新しいことが学べるんでしょ?
より多くの命を救うことが出来るのなら、私は迷わない」
「分かった、ありがとう。
神崎はゆっくり考えて大丈夫だぞ。
…家庭もあるだろうしな」
「はは、ありがとう青島さん。
じゃあ僕はもう少し考えさせて貰いますね」
「あぁ」