第6章 引き抜き
「実は2人に大事な話があるんだ」
「それさっき聞いた」
「まぁまぁ、神那ちゃん。
良いから聞こうよ。
青島さん、続けてください」
「あぁ。
実は今俺にドクターヘリ立ち上げの話がきてるんだが、2人も一緒にどうだ?」
「どうって言われても…」
「詳細」
「分かった。
まぁ、長くなるから霜月もかけてくれ」
「…」
無言で腰を下ろす。
「まずドクターヘリ立ち上げに至った経緯だがな。
本来救急患者が発生した場合は警察から消防が要請を受けてから、消防の救急車が出動する。
これは平均10分だ。
それでは助からない命もあるんだ。
だからより短時間で現場に向かい、その場で応急処置が行え、その後病院に搬送し徹底的な処置を行えるドクターヘリを導入したいと国が考え出した。
ここまでは大丈夫か?」
「ん、大丈夫よ」
「なるほどね」
その部分の説明だけで、神那は8割型理解した。