第6章 引き抜き
オペ着一式を捨て、手を念入りに洗う。
「お疲れ様、神那ちゃん」
「お疲れ」
「今の患者、僕らが出ていく必要あったのかな?」
神崎も疑問に感じたようだ。
「さぁ。
目の前に患者が居たから助けた。
ただそれだけ」
「ふふ、そうだね」
「お疲れ様。
神崎、霜月」
「青島」
「青島さん…」
「疲れてるとこ悪いが、少し付き合ってくれるか?
大事な話だ」
「別に疲れてない」
「はーい」
前を歩く青島に続いて歩く。
ついた先は青島の教授室。
「適当にかけてくれ」
そう言われ、神崎は近くの椅子に、神那はそのまま立っていた。
「コーヒーで良かったか?」
「もちろんです」
「平気」