第2章 機械の実力
「ここが屋上ですよー」
看護師の1人が患者を車椅子に乗せ、現れた。
すると突然。
「げほっ…ごほごほ」
痰の絡んだ咳をしたと思ったら…。
「ごぼっ…」
吐血した。
「!」
「急いで救急セット用意して」
身体を強張らせた男を無視して指示を出す。
「で、でも…」
「良いから早く!
こんなところで死なせたいの?」
「行って来ます」
救急セットが届くまでの間、手近にあるもので様子を調べる。
「どの科の子かな?
脳だったら診てあげられるんだけど」
「心臓外科の入院患者、担当は青島」
「え、君把握してるの?」
「全てじゃないけど」
「…ふーん」
「持って来ましたっ」
救急セットを受け取ると、入院着を左右に広げた。
聴診器で確認した様子だと確かここが…。
あった、確認。
これが原因で今回の吐血を引き起こしたんだな。