第2章 機械の実力
「まぁ、オペが出来るのならね」
失敗することなんて考えない。
「そう言うと思った。
じゃあ宜しく頼んだぞ、日取りは決まり次第連絡する」
こういう時だけ私を使う。
だから上は狡い。
何か失態があればそれを理由に私を退職に追い込むことが出来る。
そういう考えなのだろう。
だから組織というものは嫌いだ。
気分転換に屋上にでも行こうかな。
このやるせない気持ちを追い払うにはそれしかない。
ギィ…と鉄の軋む音を立てる扉を開けた。
ふわりと風が吹き、髪を揺らす。
「また会ったね」
「…誰?」
先客が居た。
「あらら、忘れられてる。
昨日の今日なのにね〜」
「会ったことあった?」
「あるよ。
まさしく昨日ね。
僕自己紹介もしたのに」
「覚えてない」
「全くー」
はぁ…となぜか溜め息を吐かれた。