第3章 新たな契約
音駒side
「..じゃあよろしくな。研磨」
「うん。分かった..クロ」
ネコのアジトでは首領の黒尾にその幼馴染みの研磨が話している
研磨は頭がよく、黒尾や他のメンバーからも厚い信頼を寄せられている
「..ねえ。クロ」
「どうした?」
「セイジョウと組む気なの?」
「!お前相変わらず情報早いな。チビちゃんにでも聞いたか?」
「なんで翔陽が出てくるの..違うよ」
「嫌か?セイジョウと組むのが」
「..そうじゃない。でもセイジョウって..」
そこまで言うと研磨は言葉を止めた
なぜなら、黒尾が銃を研磨の方に突き付けたからだ
「っ..!クロ..?」
「.....」
パアン
黒尾の銃が火を吹いた
研磨はとっさに目をつむった
しかし、いくら待てども痛みすら感じない
研磨は恐る恐る目を開けた
「..ビビりすぎだ。研磨」
いつも道理の黒尾だった
研磨は後ろを振り返り、声を上げた
「京治!」
研磨は腕を押さえ、蹲ってる青年に駆け寄った
赤葦京治。通称『フクロウ』と呼ばれるマフィア。梟谷のNo.2
本来。権力争いを続けていたネコとフクロウは敵対しているのだが、ある理由で一時的に手を結んでる
「わりい。赤葦
つい癖でな。大丈夫か?」
「大丈夫です。ありがとうございます。黒尾さん」
「ごめん..京治」
「なんで孤爪があやまるの。大丈夫だよ。ほら」
赤葦は押さえていた手を離し、袖をめくった
腕からはさほど血も出ておらず、傷口も塞がりつつあった
「流石。で、なんの用だったんだ?」
「はい。園子の事で..」
「園子?ああ。セイジョウにいるっていう『ハクチョウ』か」
「はい。今日の午後2時..でしたよね?」
「ああ。赤葦も居るか?」
「ええ。園子が心配なんで」
「そうか。じゃあよろしくな」
「よろしくお願いします」