第2章 おめでとうをあなたに…
三成くんに連れられ、いつも軍議を開く部屋に入る。そして下座に座り、集まる武将たちを見渡した。
上座にはもちろん信長様、
そして右側には秀吉さんに政宗、
左側には家康に三成くん…あれ?
私は思わず息を飲んだ。
光秀さんが…いない――――…
先ほどの嫌な予感が再び私を襲う。
そんな私を全く気にすることなく、
ニッと笑った信長様は
「全員、揃ったな。…これより極秘会議を始める。」
低い声で告げる。
「はっ」
真剣に答える秀吉さんと、
どこかウキウキしている様子の政宗。
そして
めんどくさそうにため息をつく家康と
にこにこと笑いながら答える三成くん―――…
いつもの日常と変わらない空気で始まったことに、不思議に思った私は首を傾げる。
ほんとうに極秘会議、だよね…?
それより…
私は恐る恐る口を開く
「…あ、あの。光秀さんの姿が見当たりませんが…」
すると武将たち全員が事前に打ち合わせをしていたのかと思うほど、ピタリと一斉に動きを止める。
そして目を丸くして私を見つめた。
えっ?私なにか間違ったこと言った?!
想像していた反応と全く違うことに戸惑いが隠せない私の額からしずくが滴るように汗が流れた。
何とも言えない空気が流れる―――…