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ーイケメン戦国ー* 気まぐれ作品集 *

第2章 おめでとうをあなたに…



この空気を断ち切ったのは、
顔をしかめながらじっと私を見つめる家康だった。






「光秀さんがいたら、話できないでしょ」






そう言ってため息をつく家康に続き、楽し気にニヤっと笑いながら政宗が口を開く。





「そうだぞ、杏。明後日に控えたあいつの誕生日をどうやって祝って喜ばすかを話し合う極秘会議だからな。」







私は政宗の言葉に耳を疑った。







「えっ……?」





「ちょ、ちょっとまってください!光秀さんの誕生日が明後日?!なんで皆さん日にち、分かるんですか?!」






私の発言に対し武将たちがぽかんとする中、
信長様だけは険しい顔をしながら口を開く







「…杏、貴様は先ほどから何を言っている。」








もう何がどうなっているかわからない私は、とにかく私の中で矛盾していることを伝えようとする







「だって、光秀さんは捨て子で…誕生日が自分でもわからないって…」







でも、混乱して訳が分からないことを話してしまった。






もう、どうなってるの?!
な、泣きたい…っ!!





ぎゅっと握りこぶしに力を込め、
涙が出そうになるのを堪える。








すると秀吉さんが私の目の前に来て、しゃがみ込む。そして優しい瞳で私を見つめ、頭を撫で始めた。








「――杏、一旦落ち着け。ほら、深呼吸してみろ」






私は黙ってうなずき、武将たちに見守られながら秀吉さんの合図でゆっくり深呼吸をする。







秀吉さんのこういう時の優しさ、
ものすごく心に滲みわたる。





心の中で感謝をしながら、私は落ち着くまで深呼吸をしたのだった。






「よし、落ち着いたな。いい子だ。
…いちから順に話してみろ」








「秀吉さん、ありがとう…。
う、うん。実は昨日―――――…」







落ち着いた私は昨日の夜の光秀さんの話をしたのだった。









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