第1章 【 君への贈り物 】
「…三成くんのメッセージ、読めるけど…文字が反転してる」
声を震わせながら呟いた私の言葉を耳にした家康が怪訝な顔をしながらメッセージに目を向ける
『杏様、おめでとうございます。杏様の笑顔を見ると胸が苦しくなります…なぜでしょうか。 ―― 三成』
(裏表逆に書いたんだろうな…三成くんらしい)
微笑ましさに頬を緩ませながら、ちらりと家康の方に顔を向けると不機嫌な顔をしていた。
(どうしたんだろう?)
「はあ…あいつそれだけじゃなくて、ところどころにお茶の葉つけてるんだけど。…バカなの?」
「え、うそっ……ほんとだ。またお茶の葉入れすぎたのかな?」
せっかく笑いが治まっていたのに…
私は再び声を震わせながら家康に話しかける。
「…それにしても、胸が苦しくなるって大丈夫かな?」
「…杏が気にすることじゃない。…いいから次読みなよ」
なぜか拗ねた顔をする家康。
ほんと、家康どうしたんだろう…
(でも拗ねた顔の家康も可愛い…。可愛いっていったら怒られるから言わないけどね)
私は頷き、次の信長様のメッセージに目を向けた。