第1章 出会い。
「いけんか?何もされてへんか?」
『は、はい。ありがとうございました。』
「気ぃ付けや言うたやろ?」
『ごめんなさい。』
「ほんまに。アイツのせいでええ迷惑してんねん。こっちは。はぁ・・・」
『あ!!ちょっと待ってて下さい。』
あたしは、部屋に戻って、冷蔵庫からビールを取り出して彼に渡した
『こんなもんしか今ないんですけど・・・』
「いらんいらん。」
『ほんま助かったんで、貰って下さい。』
「ほな、もうとくわ」
『あの・・・名前聞いてもいいですか?』
「あー。渋谷。そっちは?」
『小倉です。小倉 あん』
渋谷「あ、そや。俺の部屋で一緒に飲めへん?」
『い、いやぁー・・・そ、それは・・・』
渋谷「初対面やしな。あ、ベランダ出てや。そこやったらええやろ?」
『は、はい・・・』
部屋に入って、鍵を閉めてベランダに出た
ちょっとしてから
渋谷「飯食うた?」
隣からそう聞こえた
『いえ。まだです・・・』
渋谷「ほなちょっと待ってて」
そう言うて、部屋に一旦入った様子
ちょっとして
渋谷「これ食うか?」
ベランダの蹴破り戸を挟んで、袋をくれた
『ありがとうございます。』
渋谷「ええよ。むっちゃ腹減って弁当とサラダも買うてんけど、腹いっぱいなってん」
『ありがとうございます。渋谷さんがサラダ買う姿見て見たかったです。笑』
渋谷「一人暮らしやからそら、俺かてサラダぐらい食うで」
『そうですよね。ちょっと元気出ました。あの・・・また話聞いてくれます?』
渋谷「ええよ。俺もヒマやしな」
『ありがとうございます。じゃーおやすみなさい』
渋谷「おう。」
これが、渋谷さんとの出会いやった
むっちゃ怖そうな感じやと思ってたけど
いい人やった。笑
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