第1章 決意
「ねえねえ、キミ」
『え……?わたし?』
「そーそー、キミのこと♪」
あぁ、だめだ。
この人、パパに気をつけなさい、って言われた〈チャラい人〉だ。
明るい茶髪に、最近のファッションの流行を我がものにした感じの若者。
パパが言っていた〈チャラい人を見分ける条件〉にぴったり。パパ、すごい!
はっ……!
もしかして……、このthe 都会、という雰囲気に呑まれているわたしをからかいにきたの?
「そんな怪しい人を見るよーな目で見ないでよー!別に怪しくないってー」
『うむ………』
わたしが彼を値踏みするかのように、足元から髪の先までじーっと見ると、彼がわたしにウインクをした。
「それよりさ、今ヒマ?よかったら、一緒に遊ばない?」
『い、いえ!わたしは急いでいますので!』
こういうの、なれてない……。
あれでしょ?
いわゆる……なんぱ?ってやつ?
都会って怖いんだね……。