第1章 決意
渡された地図を見ながら、最小限にまとめた荷物を持って、今日からわたしの家になる、理沙さん宅を目指す。
駅前にある一軒家らしい。
理沙さんひとりで大変なんじゃ?
とか、思ってたけど、理沙さんは大分有名なブランドのデザイナーで、しかも、その中でもトップなそうだ。ってことで、心配はいらないらしい。
家は駅前にあるらしい。
わたしが元々住んでいたマンションからは、電車を乗っていかなくちゃだめだ。
電車に揺られること、20分。
そこは、わたしが住んでいた所よりもはるかに都会、って感じだった。わたしが住んでいた所が田舎だった、っていう訳ではない。どちらかというと、都会、だったとは思う。それでも、着いた駅を出たらそこはもう、別世界だった。
なんて、浮かれすぎかな?
高層ビルが周りを囲み、巨大スクリーンには最近のアイドルがライブの宣伝をしている。
『わぁ……すごい……』
そう、思わず声が漏れてしまうほどに、わたしは圧倒されてしまった。