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第1章 決意


わたしが何も話せないでぱくぱくと口を開いたり閉じたりしていると、彼がまた話し始めた。

「あんた、A組だろ?なのに、いつも成績上位だから、どんなやつなんだろ、ってずっと思ってた」

『あ、そうだったんですか……』

わたしの高校は、普通科と特進科がある。特進科はSクラス。そして、普通科はA~Eクラス。普通科においては、どのクラスが劣っている、とかはない。

わたしの高校は少し変わっていて、特進化だと、色々と特権があるらしい。

例えば、校内に設けられたテラスを使うことが出来る、とか。あのテラスは特進科のために設けられたものだ。

「あんた、いつも2位なのに、なんで特進科に来ないんだ?」

『それは……お金がかかるから……』

そして、特進科と普通科には大きな違いがひとつある。

もともと氷高高校は公立なのだが、特進科のみ私立と同じくらい、お金がかかるのだ。

特進科のために特別授業講師を雇い、英語の勉強だ、と海外留学もほぼ毎月。

下手したら、私立よりもお金がかかるかもしれない。そんな所に、わたしが行けるはずもない。
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