第1章 決意
「いいよ、それくらい。っていうかさ」
『……?はい』
「なんで敬語?同い年なんだから敬語じゃなくていいでしょ」
来さんってこんなに話す人なんだ……。
っていうか、同い年?
なんで知ってるの……?
『同い年、なんですか?』
「だって、あんた18でしょ?」
『え……あ、はい』
「それじゃあ、僕と同い年。氷高(ひだか)高校の3年A組、星宮 詩乃。違う?」
え、嘘!?
合ってる……。
「なんで、って顔だね?あんたも僕のこと、知ってるはずだけど?氷高高校3年S組、佐野 来」
『ああっ!!』
最後まで聞かなくても分かった。
なんで!
どうして今まで気づかなかったの!
3ーSの佐野来って言えば、氷高高校の主席じゃない!
まさか、今日からそんな人と兄弟だなんて!