第1章 決意
「そーそー!ライライは、文句いいながらも優しいんだぜ!」
『……そう……だったんだ……』
なんだ……。
嫌われてなんか、なかったのかな……。
「だからさ、別に気にすんなよ」
『え……?』
「誰もお前のこと、邪魔になんて思ってねえからさ」
ああ、気づかれてたんだ……。
律さんにはお見通しだったんだ……。
頭の後ろで手を組んで、わたしににかっ、と笑いかける。
「母さんだって、お前に会いたくて無理したんだし、ライライは照れ屋なだけだからな」
『ふふっ、そうなんだ?』
来さんが照れ屋……。
意外かも。
「おし!やーっと、笑ったな!」
『笑う……?』
律さんがわたしをじーっと見てから、ぐい、と距離を詰める。
「お前は、笑ってりゃいいの」
そう言って、わたしの両頬をぎゅっと、つねる。
『うん……。ありひゃと(ありがと)』