第1章 決意
「オレは誠(まこと)!よろしくね♪」
明るい茶髪に最近のファッションの流行を我がものにした感じの若者。
やっぱり、これ以外の彼に対する印象が浮かばない。
「ほら、お前らもこっちに来いよ~」
誠さんに呼ばれて、ソファーに座っていたふたりが歩いてきた。
「俺は律(りつ)で、俺の後ろにいるのが魁(かい)な!俺と魁は双子で、俺が兄貴。よろしくな!」
『あ、はい。よろしくお願いします』
「敬語じゃなくていいって!詩乃、だっけ?お前さ、何歳?」
『18……で……だよ』
危ない……。
もう少しで、です、って言うところだった。
「なんだ、俺らより年上じゃん!んじゃあ、姉ちゃんか!」
ってことは、弟……。
そっか、弟……。
お兄ちゃんがふたりに、弟がふたり。
「詩乃ちゃん?どうしたー?」
誠さんがわたしの顔を覗き込む。
『え……?』
「いや、なんか笑ってたからさ~」
『え、あっ……すみません……』
「いや、謝んなくていいって!」
『今まで一人っ子だったので、兄弟ができるんだ、って思ったらすごく嬉しくて……』
頑張らないと……!
早く彼らとちゃんと、家族になれるように。