第10章 雨上がり
「まぁ、僕は星夜のテクニックには敵いませんから。
僕で満足出来なければ星夜のところへ行くと良いですよ。
ご希望以上、を提供する奴ですから」
と、怪しく微笑んだ。
「し、しません!」
「星夜のテクは知ってるでしょう?」
「え?えと、その、まぁ…」
確かに巧いとは思う。
なんか悔しいけど。
「前も言ったかも知れませんが、星夜のことで何かあったら僕のところに来てくださいね。
遠慮は要りませんから」
「はい、ありがとうございます」
あ、そういえば。
「会長が私を生徒会に受け入れた理由ってなんなんですか?」
「あぁ、それはですね」
“ 良いか、烈。
この話は俺から言う、勝手なことすんじゃねェぞ ”
以前星夜に言われた言葉が脳裏をよぎる。
「やっぱり星夜に直接聞いてください」
「えー」
「すみません、思わせぶりなことを言ってしまって。
星夜に言うなって言われてるの忘れてました」
と、肩をすくめる。