第20章 おまけ
「それは、星夜が入学式であなたに一目惚れしたからですよ」
と、烈さんが告げた。
「ぐっ.....けほけほ」
「ちょっと、大丈夫!?」
星夜さんが飲んでいたコーヒーでむせてしまった。
「動揺し過ぎだよ、星夜」
「てめェ...」
「入学式の日。
あの日星夜は在校生代表の挨拶をする為と、役員として入学式に出席していた。
そこで最前列中央に居たあなたに一目惚れしてしまったという訳です」
クスクスと烈さんが笑う。
「烈、お前な...」
星夜さんの顔が見る見る内に赤くなっていく。
「本当のことなんだ...」
その様子からして、その話が嘘じゃないことは明白だ。
「チッ...悪ィかよ。
惚れちまったもんは仕方ねェだろ」
耳まで赤く染める星夜さんの姿に、胸が高鳴る。
「星夜さん...可愛い」
「か、可愛くねェだろ。
ヤローが赤くなってんののどこが可愛いんだ。
お前の感性が変なんだよ」
赤い顔で悪態をつかれても、去勢にしか聞こえず愛おしさが増す。
「そんなところも好きですよ」
「っ...」
「おや」
思ったことを口に出せば星夜さんは言葉を失い、烈さんはクスリと笑った。
ほんとの終わり。