第8章 雨と幸運
濡れてしまった衣服を手早く脱ぎ、乾燥機の中へと放り込む。
そしてバスルームへと脚を踏み入れた。
シャワーで身体を軽く温めたあと、湯船へと浸かる。
「お湯加減どうですか?」
「丁度良いです」
「良かった。
着替え置いておきますね。
自分部屋に居るので何かあったら言ってください」
「はい、ありがとうございます」
烈さんはやっぱり優しいな。
どっかの誰かさんとは大違い‼︎
こんなに優しい烈さんでも豹変したりするのかな。
だとしたら見てみたい。
烈さんの欲情した顔………あ、ダメだ。
のぼせちゃう。
クラッとして来たので慌てて湯船から上がる。
浴室を出て、タオルで身体についた水滴を拭う。
拭き残しがないように丁寧に。
そして丁寧に畳んで置かれている着替えに袖を通す。
白いTシャツは男物らしくブカブカで袖が長く、肩がズレてしまう。
下は細身の紺色ジーンズだ。