第4章 気をつけてください
「遅ェ」
「す、すみません」
反撃したい気持ちを抑え、ここは素直に謝る。
烈さんも居るんだ、無様なところは見せられない。
「星夜、口が悪いぞ」
「烈か、早かったな」
「シードで行ってるからな。
試合数は他と比べて少ない」
あれ…?
なんか雰囲気が違う。
「何ボケッとしてんだ、美織。
コーヒー、砂糖も忘れずにな」
「あ、はい」
「コーヒーなら僕が淹れるから、月本さんは座ってて良いですよ」
「え?いやいや、そんな!」
まただ、また何かが違う。
「そういえば烈さんは何部なんです?」
「僕は弓道部ですよ」
「こいつの命中率ハンパねェの」
「嘘を言うな、嘘を。
気にしないでください」
「あ、分かった!」
「はい?」
「あ?」
「さっきから感じてた違和感の正体!
烈さん、私には敬語で会長にはタメ口なんですよ」
「それがどうかしました?」