第19章 能ある鷹は爪を隠す
「ん...」
意識が徐々に浮上していく。
声が聞こえた気がする。
身体が温かい。
でもなんだか苦しい...?
眠気を払い、うっすらと目を開けた。
「っ」
目の前にあるのは胸板。
少し上を見上げれば星夜さんの整った顔がある。
「な、なんで...?」
頭が混乱する。
「ん...起きたか?」
寝起きなのか、星夜さんの声は少し掠れていた。
「なんで一緒に寝てるの?」
バクバクと心臓が煩く鳴る。
「眠くなったから」
「だからって...!」
怒ろうと思ったその時、生徒会室の扉が開いた。
「え?」
「美織さん.....と、星夜。
一体何してるんですか、そんなところで」
「いや、あの、これは...」
烈さんが立っていた。
「書類は?」
いつもは優しい烈さんの声色が少し固くなった。
「え、えっと...」
チラリと時計に目を向ければ、私が寝てから30分程しか経っていない。
これじゃ流石に終わらないよ...!