第17章 余裕なんかねェよ
それからの痛みは予想を上回る程だった。
先程までスムーズにいっていたのが嘘のように、痛みが増す。
「や...いた...痛いよ...」
「わり、もう少しだ」
ぎゅっ、と星夜さんの首に回す手に力が入る。
「美織...力抜け」
「や、分かんな...」
「大丈夫だから」
涙が滲む瞳に心を痛ませながら、キスをする。
少しでも美織の気が紛れるように。
キスをしながら腰を進めた。
それでもやっぱり痛むのか、あれ程嫌がっていたのに俺の背中に爪が食い込むのが分かる。
「は...ぁ...入った」
全部、きっちり美織のナカに収まっている。
「ん、良かった...」
嬉しい、と微笑む美織の頬には涙の伝った痕があった。
「ナカに入ってる感覚に慣れたら教えろ。
それまでこうしてる」
前へ倒れ込み、美織を抱きしめる。
今すぐ動きたい衝動を無理矢理抑え込み、笑った。