第17章 余裕なんかねェよ
「そういうところ、優しいと思う」
ふわりと笑った。
いや、微笑んだのか?
優しく、暖かく、包み込むように。
「じゃあ...私のワガママで良いから...早く...頂戴...?
もう...欲しいの」
そのたった一言で、筋1本程で繋ぎ止めていた俺の理性は儚く散った。
「あとで泣いても知らねェぞ?」
痛い程に主張している自身がその証拠だ。
俺に余裕なんざねェ。
「泣いても良いよ...?
痛くても良い...。
だって最終的には気持ち良くしてくれるんでしょ?」
「.....怖くねェのか?」
誰だって未経験のものは不安に駆られるだろうに。
「怖く、ないよ」
明らかに強がってるような、そんな目をしている。
「...ったく、強がんなくて良いっつの。
ほら...首に手を回しとけ。
痛かったり怖かったりしたら、俺の背中に爪立てて良いから。
傷つけるとか考えんな、俺はそんなヤワじゃねェ」
「ありがとう、星夜さん」