第16章 連れ去りたい
「良いからとっとと出てけって言ってんだよ。
これ以上美織を傷つけるな」
顔を近づけ、凄む。
「焦れてんのは俺も一緒だよ。
お前だけじゃねェ。
美織を抱きたきゃ、こいつを惚れさせろよ」
「悪い…星夜。
すみません…美織さん、僕…」
少し埋まっていた自身を抜き、仕舞うと、起き上がらせる為に手を差し出した。
その瞬間、美織さんの肩が震えた。
それも当然か…。
だって僕は嫌がる美織さんを無理矢理…。
「すみませんでした…怖がらせてしまって。
僕もう生徒会も辞めます、美織さんに近づかないようにします。
謝って許されることじゃないけど…本当にすみませんでした…」
深々と頭を下げる。
「それじゃあ。
星夜、ごめん、あと頼む」
これ以上美織さんの顔を見ないように、足早に部屋を出て行く。
きっとこのまま居たらまた泣かせてしまう。
傷つけてしまう。