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【R18】狼彼氏(仮)

第16章 連れ去りたい


星夜さんに腕を引かれ、起こされる。


「おい、美織、大丈夫か?」


「大丈夫ですよ…?」


「強がってんじゃねェ。

俺の前でぐらい素直になれよ」


「だって…」


「気にすんな、今は泣け」


ポス、と頭を抱き込まれた。


目の前には星夜さんの胸板がある。


「ふぇ…ぅ…」


制服にしがみつき、嗚咽を漏らす。


「少しは落ち着いたか?」


「…ん、ありがとう」


黙って泣き続けた。


星夜さんはただただ無言で私の背中を撫でてくれていた。


「私…」


「ん?」


「私…烈さんのこと、好きだったんです」


「…知ってる」


「でも…最近は烈さんを見るとあるのはドキドキじゃなくて安心で…。

烈さんと居ても星夜さんのこと考えちゃったり…」


「…そうか」


「だから多分…私…星夜さんのことが好きなんです」


「一時の気の迷いじゃねェのか?

俺は烈より背も高くねェし、優しくもねェぞ。

こんな男のどこを好きになる」


「星夜さんはちゃんと優しいじゃないですか。

普段はイジワルだけど…優しいもん…」
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