第15章 教えてあげましょうか
書類を手にまずは烈さんの教室へと向かうことにした。
「て言ってもクラス知らない…」
自分の気になってる人なのに、何も知らない自分に腹が立つ。
適当に聞いて回る訳にもいかず、かといって生徒会室まで戻る気にもなれず…。
星夜さんのことだし、きっと何かとからかってくるに違いない。
とりあえず3年生の階まで辿り着いた。
…自分から先輩に声を掛ける他なさそうだ。
「あ、あの…すみません…」
「なぁに?」
「えっと…」
脚を止めてくれたのは綺麗な栗色の髪をした女の人。
クルリと毛先を巻き、化粧もバッチリだ。
「急いでるの、早くしてくれないかなぁ?」
「あ、ご、ごめんなさい!
やっぱり大丈夫です!
すみません!!」
迷惑そうな顔を見てしまい、慌てて頭を下げる。
「そーぉ?じゃーね」
うぅ…ダメだった。
でも次こそ…!
「あ、あの…!」
「ごめんなさいね、急いでいるの」
「あ、はい。
すみません…」
3年生ってやっぱり忙しいのかな…。