第14章 プールサイドは走っちゃいけません!
「いつまで笑ってるの⁉︎」
が、気がするだけである。
怒りはそう簡単に消えるものではない。
「くっく……ほんと、面白ェ」
「星夜さん……手」
「あ?手?」
「貸して?」
「はいはい」
呆れたように手を差し出してくれる。
……掛かった。
こうなったら仕返しだもんね!
「まさかとは思うけど、俺にやり返そうとか思ってる?
この俺に」
手を握る前に言い当てられ、背筋が伸びる。
「ま、まさか!」
「だよなァ。
バラされたくないもん、いっぱいあるもんな?」
「くっ…!」
「なーんてな、ウソ。
お前ほんと信じ過ぎ。
可愛いモンはいじめたくなんだよ」
ポンポン、と頭を撫でた。
「どうせ可愛くないもん…」
「そう拗ねんなよ。
あとで甘いもの買ってやるから」
「本当⁉︎」
「あぁ」
「やった!」
ニコニコと笑う。