第4章 はじめての気持ちとありがとう
それからのことはよく覚えてない。
次に目が覚めたのは朝だった。
(……早く準備しないと…ベルが来ちゃう…)
のそのそとベットから出て、顔を洗い、隊服に着替えた。
『………』
そっとポケットの中に手を入れると、まだ紙の感触があった。
(…夢じゃない…)
「〜、起きてるー?」
またノックもなしにベルが部屋に入ってきた。
『…おはよう、ベル。』
「おう……なんかテンション低くね?」
『…そう見えるの?』
「うん。だって毎朝恒例の『ノックして入ってよ!』がなかったし。」
『今から言おうとしてたのよ。ほら!早く地下行こう?』
「おっけー…」
ベルがまだなにか言おうとしてたけど、無視して扉に向かった。
その日の修行中の私は、ありえないくらい集中していた。