第2章 お願いします
“絶対やると思ってたのよね”
夢の中で誰かがそう言った。
『え…?』
“私も最初あの匣兵器使った時、頭打ったもの”
あの匣兵器を使った時…?
……まさか…
『……あなたは10年後の私なの…?』
“ん~…まぁそんな感じ”
“あなたが最初に匣兵器使った時に、怪我して気を失うだろうと思ってね、ちょっとあの武器に細工をしたの”
『細工…?』
“えぇ、前に眼鏡の少年に言われたのよ”
“こうやってあなたと喋れるのも、彼のおかげね”
『眼鏡の少年…?』
わからないことだらけだ。
“あなたには未来がかかってるとか、そういう事はよくわからないと思うの。でも帰りたいでしょ?元の世界に”
『う、うん…帰りたい…』
“私も、早く戻りたい、ヴァリアーに戻りたいの”
ヴァリアー…
『もう、ヴァリアーが居場所になってるの…?』
“えぇ、私の大好きな人達よ”
“まだあなたは信用してないと思うけど、とてもいい人達なのよ?”
『…ずいぶんベタ褒めだね……』
“あなたもすぐわかるわ”
“それじゃあ、もう時間ね…頑張って…”
『あ、待って…!!!』