第2章 お願いします
それからずっと立ち尽くして考えていた。
覚悟。
私は10代目の役に立ちたい。
そのためには、ヴァリアーでいろんなことを学ばなくちゃいけない。
わかってるけど、まだ覚悟が足りないのかな…
どこかで甘えてる…?
元の世界に帰って、また、みんなで騒ぎたい。
そのためには…
今、ここでやるしかない…
「う"お"ぉい…!!」
はっとして顔を上げると、スクアーロさんがいた。
「てめぇはそんなもんじゃねぇだろ。」
どこか怒ってるような彼の目。
なんで彼は私に迷いもなくそんなことを言えるんだろう。
でも言われっぱなしはしょうに合わない。
『…もちろんですよ。
私はこんなところで立ち止まってられないんです。』
きっ、と彼を見上げた。
ぼうっ…!
「あ、炎が…!」
自分の手を見て気づいた。
炎が出てる。白い、綺麗な炎。
『これが…炎…』
「やれば出来るじゃねぇか。」
スクアーロさんがそう言った。
「すっげぇじゃん!!
さすが王子が教えただけあるな〜!」
「てめぇはなにもしてないだろ!!」
「うっさい。
てかなんであんたここにいんの。」
「匣、部屋に置いていったままだったからなぁ…ほらよ。」
スクアーロさんが私にものを投げた。
『わっ…ってこれ、なんですか?箱…?』
「炎だけじゃ使い物にならねぇ…
これと一緒に使うんだ。」
「じゃあ、次はこれについて説明してやるよ。」
『あ、お願いします。』
私がそう言うと、スクアーロさんが背を向けた。
『あ、スクアーロさん!ありがとうございました!!』
スクアーロさんはひらひらと手を振って帰っていった。