第1章 動き始める
「こーんばーんわー。」
いきなり声が聞こえたので顔をあげた。
するとそこには大きなカエルの被り物をかぶった少年が…
『こ、こんばんわ…』
私が挨拶を返すと、その人は私の隣に座ってきた。ちょっとカエルが邪魔…
「ミーはフランです。
歳も近いですし、フランって呼んでくださーい。」
確かに、年齢は私と同じくらいだ。
リング争奪戦の時もこの人だけは見たことない。
『あ、うん…じゃあフラン…』
「この世界でミーはあなたの後輩だったので、先輩って呼んでたんですが…今は歳近いですしって呼んでもいいですか?」
『うん。もちろんいいよ。』
「やったー。でもなんか変な感じですねぇ。」
(…なんか変わってる人…)
「はここから逃げるんですか?」
『え!?』
「あ、いや、こんなところにいたんでー。
てっきりそういうことかと。」
(び、びっくりした…)
「…で?どうなんですか?」
(な、なんかこの目…嘘が言えない…!!)
『…さ、最初はそのつもりだったんだけど…
スクアーロさんの話とか聞いて、私はここで強くならなくちゃいけないのかな~とか思ったよ…?』
「は責任感が強いんですね〜。」
『…10代目とかが頑張ってるなら、私も頑張ろうかなってだけ…でも、スクアーロさんの話ほんとかどうかわかんないし…あとは、私この世界で身寄りないから、このままここにいた方がいいのかなとか…』
なんか言っててまた涙出てきそう…
私、ほんとに一人ぼっちだ…
「寂しいんですか…?」
『うん…寂しい…』
小声で本音を漏らした。
「じゃあミーがの友達になってあげますよ。」
『え…?』
「そういうわけで、はもう一人ぼっちじゃないですよー。」
フランがそう言って私のほっぺをつついた。
『え、あの…いいの?』
「はい。」
ポーカーフェイスの彼が、少し笑った。
『あ、ありがとう…!』
ここに来て、はじめて笑えたかも。