第1章 動き始める
スクアーロさんに全部聞いた。
この世界が10年後の世界だっていうことも、ボンゴレリングを持った私たちが、白蘭を倒すために集められたことも…
私達の大切な人達が亡くなったことも…
でも…
『…今の話を素直に信じろ、と…?』
「…ったく、お前はめんどくせぇなぁ…
筋が通ってんだろ!?」
『まぁ、そうですけど…』
「はぁ…まぁいい。今から沢田達に情報を流す。」
『え…!?』
「お前のことも伝えてやる。」
そう言ってスクアーロさんはまた私を連れ出した。
…………
「伝えてぇ事もあったんだ。ちょうどいい。」
『………』
なにやらカタカタと機械をいじりだした彼をドアの近くでぼーっと見ていた。
しばらくしてスクアーロさんがソファに座り、大きい声を出してスクリーンに話し始めた。もうちょっと小さい声は出ないのかな…
新しいリングの反応だとかなんとかとか…
よくわかんない…
『…っ!!!!??』
(な、なに!!?)
いきなり後ろから抱きしめられる形で口を塞がれた。
横を向くと、前髪で目が見えないけど笑ってる人がいた。その人は自分の口に人差し指を当てて「しー…」と言ってきた。
だからコクコク頷くと手を離してくれて、スクアーロさんの座っているソファに近づいた。
(ぜ、全然気配がわかんなかった…)
金髪の人もスクリーンに向かって話し始めたと思ったらなんかスクアーロさんと喧嘩しはじめた。
(わ、私どうすればいいの?)
「またこの世で会えるといいな!!
それまで生きてみろぉっ!!!」
スクアーロさんがそう言って機械のボタンを押した。