第1章 動き始める
「…ったく、ひやひやさせやがって…」
部屋を出るとすぐにスクアーロさんがそう言った。
「今からてめぇの部屋へ案内する。
道よく覚えておけぇ…」
『…はい。』
正直覚える気はない。
夜になったら逃げ出すつもりだ。
一個か二個ぐらい武器を頂戴して。
(早く10代目達を探さないと…)
「ここがお前の部屋だ…」
はっとしてドアの方を見る。
スクアーロさんが鍵を出して、ドアを開けた。
『広い…』
思わず口に出た。
「言うと思ったぜ。
お前は広い部屋があんまり好きじゃなかったからなぁ…」
後ろでスクアーロさんがそう言ったので、驚いた。
『な、なんでそれを……?』
彼はふっと笑った。
「まぁ1から説明してやる。そこに座れ。」
彼の目の先にはベットがあったので、言われたままそこに座った。
「…ったく、警戒心の無さはこの時からか…」
『え?』
「…なんでもねぇ…
どこから説明したらいいか…」
スクアーロさんは私の目を見て話し始めた。