第1章 動き始める
『あ…』
「あら、スク。」
「……よぉ"…」
XANXUSさんの部屋に行こうとしたら、さっきのロン毛さんがドアのところに立っていた。
「ここからは俺がこのガキと一緒に行く。」
「まぁ、それは頼もしいわね。
ちゃん、この人について行ってくれる?」
『はい。わかりました。』
「じゃあね~」とルッスーリアさんが手を振ってきたので会釈し、すぐスクアーロさんの後について行った。
『………』
「………」
何も喋らないまま、廊下を歩いた。
しかし広いお屋敷だ。ここはヴァリアーのアジトなのだろうか…
「着いたぞ…」
『あ、はい。』
スクアーロさんが私の方を一瞬見て、ドアを大きい音でノックして、ドアを開けた。
「邪魔するぜぇっ!」
そう言ったスクアーロさんについていこうとしたが、パリーンと音を立てて何かが彼の頭を直撃した。
『うわっ!』
「ちっ!おい何しやがる!!!」
「誰も入っていいなんて言ってねぇ…このカスが…」
(この人がXANXUS…)
リング争奪戦の時にも感じたが、すごい雰囲気というか、威圧というか…
「あ"ぁ悪かったなぁっ!!
おらよ、ガキを連れてきた。」
スクアーロさんが私の背中を押した。
『……』
「はっ、ほんとにガキだな…」
(わ、笑った…)
「てめぇには、今日からここでしばらく暮らして貰う。今のお前のボスは俺だ。」
『なっ…!?』
ボスがあなたですって…!?
そんなの…
『…私のボスは沢田綱吉ただ1人です…』
「あぁ?」
「う"おぉい…やめとけ…」
無言でXANXUSさんと睨み合った。
「…はっ、やっぱりてめぇはガキになってもてめぇってことか…さっさと行け、このカスガキが…」
『…?』
「…おい、行くぞぉ…」
スクアーロさんにそう言われ、私はXANXUSさんに背を向けた。