第4章 はじめての気持ちとありがとう
『ベルおはよーっ!!』
「……おう…」
朝、いつも通りの部屋の前で待っていたら、彼女はこんな調子だ。昨日のことが嘘のようだった。
「なんでお前そんなアホみたいにテンション高いんだよ。」
『え?別に普通でしょ?』
「……まぁその方がお前らしいけど…」
ルッスーリアと話してだいぶ吹っ切れたんだろう。いつも通りの笑顔が戻ってる。
俺はに気づかれないようにほっとため息をつき、歩き始めた。
そして地下に向かうため、エレベーターに乗り込んだ時、彼女が俺の名を呼んだ。
『…ねぇ、ベル。』
「ん?」
『私が3日後に日本に行くって聞いた?』
「あったりめぇだろ。幹部はもう全員知ってるっつーの。」
『そっか…』
「…なんでそんなシケたツラしてんだよ。」
『いや〜…だって寂しいじゃん!!』
「王子はうるさいのが減ってせいせいするけど?」
『ひどい…』
「今更だろ。ほら、んなこと言ってる暇あったら技磨けっ!!」
ちょうどその時エレベーターの扉が開いたので、俺は外にこいつを蹴り飛ばした。