第4章 はじめての気持ちとありがとう
今日はなんだか目が冴えて、朝から俺は自室で剣の手入れをしていた。
あまり眠れなかったのは昨日のことが気になったからだと思う。
(……俺なんかしたかぁ…?)
別に喧嘩もしてねぇし…
気に触ること言ったような覚えもねぇな…
もしかして2人ででかけたのが嫌だったのか…?
……そうだったらかなりへこむぜ…
はぁ、とため息を1つついた。
…そういえば、この世界のと俺は1回だけ大喧嘩したことがあった…
あれはヴァリアー全員巻き込んじまったからなぁ…
今思えば懐かしい。
「スクちゃーん?」
手を止めていた俺はその声ではっとした。そして、次にドアが開き、ルッスーリアが部屋に入ってきた。
「…何の用だぁ…」
剣の手入れをまた再開し、やつの顔を見ないで口を開けた。
「まぁ冷たい!せっかく昨日ちゃんと話したってことを伝えに来たのに〜!!」
(ちっ…ほんとここにはめんどくせぇやつらしかいねぇな…)
「…はなんて言ってやがった?」
「んふふ♡ずばり!恋の悩み、ね!」
「恋いぃっ!!?」
思わず剣を床に落とし、顔を上げた。
「ちょっと危ないしうるさいわよ!!」
スパーンッ!とルッスに頭を叩かれた。
「……相手は俺かぁ…」
「何その自信。ムカつくわね〜。女の敵よ!!」
「そ、それ以外考えられねぇだろぉがっ!!」
「で、も!あの子ベルとフランとも仲良いじゃなーい?ていうかスクより全然一緒にいるし!!あなたもうおじさんだし!!」
「なっ…!」
(…た、確かにガキはガキを好きになんのかぁ…?)
「ま、もうちゃん元気になったから!それだけ分かればいいでしょ?じゃあねっ!!」
「あ!おいルッス!!!」
部屋のドアが閉まり、また静けさが戻った。
(……あんのやろぉ…余計悩ませやがって…!!)