第7章 甘い時間 ★
ーーーもうこんなに濡らして…いやらしい女だな
それは2年間レナを弄んだ、フリークの声だった。
レナははっと我に返った。
ーーーそんな女のことを何て言うか知ってるか?…淫乱って言うんだよ
(嫌だ…いやらしい女だと思われたくない…)
「サンジっ…待って…」
消えいるような声で呟いたが、サンジの首もとへのキスと、胸を触る手は止まらない。
それどころか、胸元からガウンの中に手を滑り込ませた。
「やっ…やめてっっ!」
レナは自分でも驚くほど大きな声で叫び、サンジを突き飛ばした。
尻餅をついたような格好になったサンジは、驚いてレナを見た。
「ごめん」
謝ったのはサンジだった。
「下心ないなんて言いながら…こんなことしてごめん」
「私も…ごめんなさい……でも…やっぱり……」
「仕方ないよ…レナちゃん、初めてなんだろ?」
そう言って、一瞬伏せた視線をレナに戻したとき…
今の自分の言葉が真実でないことを悟った。
レナの、申し訳なさそうな、泣きそうなその表情は、レナが処女ではないと物語っていた。