第11章 恋
今のレナにとっては初めての深いキス。
わけもわからないまま、ゾロの舌がレナの舌を、歯を、上顎をなぞる。
レナは呼吸のタイミングもわからず、必死にゾロに応えようとする。
「悪りぃ」
苦しそうなレナに気づき、慌てて唇を離したゾロ。
「……つい……悪かった」
レナはというと、潤んだ瞳でゾロを見つめている。
「本当に…俺でいいのか」
ゾロはレナの目を真っ直ぐ見ながら、恐る恐る尋ねた。
「ゾロが好き…ゾロと付き合ってたことは全然覚えてないけど…前に恋人同士じゃなかったとしても、ゾロのこと好きになってたと思う…」
恥ずかしそうに、それでも目を逸らさずに答えるレナ。
ゾロは嬉しさの隙間に、チクリと罪悪感を感じていた。
(違う…騙してる訳じゃねぇ…)
ゾロは自分にそう言い聞かせ、罪悪感を振り払うかのようにレナを抱きしめた。
レナも自身の腕をゾロの背中に回し、その腕に力を込めた。
レナは、ゾロに恋をした。