第7章 甘い時間 ★
二人の唇が合わさると、すぐにサンジの舌がレナの唇を割って入ってきた。
いきなりのことに驚いたが、レナもされるがままに舌を絡ませた。
サンジの片方の手はレナの首の後ろあたりに回され、レナを離すまいとしっかりと押さえていた。
もう片方の手はレナの腰に回し、ときどき撫でるように動かした。
激しくて優しいサンジのキスに、レナは身体がとろけてしまいそうだった。
腰のあたりを撫でられる度に、甘い吐息と声が漏れる。
「ん……ふ…ぅ…」
足の力が抜けそうになるのを何とか堪え、頭と身体が痺れる感覚にぞくぞくしていた。
サンジがゆっくりと唇を離すと、二人の唇を繋ぐように唾液の糸が引かれ…そして途切れた。
レナは潤んだ瞳でサンジを見つめていた。
「レナちゃん…そんな顔で見られたら…俺もう…」
サンジが切ない表情で言ったその言葉が、何を意味しているのかレナにも分かり、少し焦った様子で顔を伏せた。
「ごめん、レナちゃん…もう夜も遅いし、先にシャワー浴びるね」
そう言ってサンジは部屋の中にあるシャワールームへ入って行った。
(さっきのキスの続き…するのかな…)
レナは不安な気持ちでサンジのシャワー音をきいていた。
まだ自分でも、どうしたらいいのか結果が出ていなかった。
このあとサンジとそのような雰囲気になったとき、何も話さずにサンジとひとつになるべきか…いや、それはできない、とレナは思った。
それなら全てを話せるかというと、それもできない。
レナは、中途半端な覚悟で今日来てしまったことを、後悔していた。
10分ほどで、サンジが出てきた。
備え付けのガウンを羽織っていたが、はだけた胸元が色っぽく、レナはつい見とれてしまった。
「レナちゃん、お先」
「うん。私も入るね」
レナはシャワーを浴びながら、今の間にサンジが眠ってしまうことを祈ったが、シャワールームを出てそれが叶わなかったことを知る。