第7章 甘い時間 ★
(島で一泊、か…)
サンジは着替えに行ったレナを待つ間、ナミの言葉を頭の中で繰り返していた。
島で泊まることは滅多にあることではない。
サンジは何としてもレナを誘いたかった。
先程のキス…あのときサンジは、レナがキッチンに入ってきたときに目を覚ましていた。
ただ何となく、寝たふりでもしてみようと思ってそのまま動かなかった。
まさかレナがキスをしてくれるなんて思ってもいなかった。
最初は触れるだけで、正直したかどうかもわからないくらいだった。
しかし二度目は確実に、はっきりと唇の感触がわかり、しかもなかなか唇を離さなかった。
我慢できずについレナの後頭部に手を回して固定し、貪るようなキスをしてしまった。
嫌がられないかという不安もあったがレナもそれを受け入れてくれたようだった。
それに、唇を離したときのあの顔…目が潤み、サンジにはとても色っぽく見えた。
(キスだけじゃ…足りねぇ…)
それは毎日考えていることだった。
押し倒したい
その服を脱がせたい
その身体に触れたい
レナの感じる顔を見たい
レナがどんな声で喘ぐのか、聞きたい
レナの全てを自分のものにしたい……
しかし、一度展望台で胸に触れたときに手を振り払われたので、なかなか次には進めなかった。
(たぶんレナちゃんは…処女だ…それであのとき、びっくりしてたんだろう…)
サンジはレナが処女だと思い込み、どうすればキスより先に進めるか、最近はそればかり考えていた。
「サンジ、準備できたよ」
着替えたレナがキッチンに入ってきた。
ぴったりとしたデニムパンツにナミのお下がりのチェックのコート、黒のブーツというシンプルな格好だったが、スタイルの良さを際立たせていた。
「それじゃあ…行こうか」
そう言ってサンジはレナの手を取り、サニー号を後にした。