第7章 甘い時間 ★
レナとサンジは、つい先程までの激しいキスがなかったかのように、いつも通りに昼食の準備をしていた。
(さっきのキス…もう一回したいな…)
心の中では強く願うものの、口に出してなど言えない。
唇に残った感触を思い出し、余韻に浸っていた。
ーーー
昼食を済ませ、片付けもそろそろ終わろうかというとき、島に到着した。
昨日から一段と冷え込み、完全に冬服で過ごしていたが、到着した島はやはり雪の積もる冬島だった。
港からかすかに見える街の中心部は、高い建物が立ち並び、近代的な印象だった。
「ログは一週間で溜まるみたいよ。今回は船旅も長かったことだし、最後の一泊は各自好きなところに泊まってきていいわよ」
この船の財布を握っているナミがそう言うと、仲間たちから歓声が上がった。
いつもより少しだけ多めに、一週間分のお小遣いをそれぞれに渡すナミ。
「くれぐれも、面倒は起こさないでね!!」
ナミの言葉を理解したのかはわからないが、皆次々と島に上陸していった。
(島で一泊なんて、初めてだけど、こういう時ってどうしてるんだろう…やっぱり女子は女子で泊まるのかな?けどナミとロビンは一人でも泊まってそうだし…)
「レナちゃん」
そんなことを考えていると、サンジに呼ばれた。
「準備ができたら、行こうか」
「うん、着替えてくるね」
(まだ先のことだし、あとから考えよう)
そう思い、今からのサンジとのお出かけを楽しむことにした。