第7章 甘い時間 ★
初めてキスをした日から、三日が経った。
あのときは少し気まずい雰囲気になったものの、この三日間も相変わらずサンジは人目を忍んでレナを抱きしめていた。
ただそれまでとは違い、キスもするようになった。
軽く触れるだけのときもあれば、舌を絡ませ合う深いキスをすることもある。
しかし、サンジはそれ以上のことをしようとはしなかった。
レナはほっとしていたが、心のどこかでは残念に思っていた。
(ううん、これ以上先は…進めない…)
レナは自分の欲望に、気づかないふりをした。
「今日のお昼すぎには島に着くわよ。レナはサンジ君と出かけるの?」
ナミがレナに問いかけた。
「うん、食材の買い出しとか…行ってくるね」
「デートでしょ。レナ、冬服あんまり持ってないんだから、サンジ君に買い物付き合ってもらったら?」
ナミには何でもお見通しのようだ。
「…時間があったら付き合ってもらおうかな。それじゃ、お昼の準備してくるね」
そう言ってレナは女部屋を出てキッチンへと向かった。
「サンジー…」
静かにキッチンの扉を開けると、サンジがソファーで横になっているのが見えた。
ゆっくり近づくと…眠っているようだった。
(疲れてるのかな…?)
レナは床に膝をつき、サンジの顔を眺めた。
(前にもこんなことあったよね…)
それはレナとサンジが付き合う前のことだった。
あのときは寝ているサンジを起こさないよう、初めてレナが食事を作った。
(いつ見ても…綺麗な顔してるなぁ…)
レナはじっとサンジの顔を見つめた。
その寝顔は無防備で、レナはキスをしたい衝動に駆られた。