第7章 甘い時間 ★
二人の唇がまた触れ合った。
レナは二度目のキスにまた幸せを感じていると、サンジの舌が唇を割ってレナの口内へと入ってきた。
サンジの舌が、優しくレナ口の中で動き回る。
レナも、それに答えるように舌を絡ませた。
レナの腰に回したサンジの手に力が入った。
「…んっ……ぅ……」
二人の唇の隙間から、レナの甘い声が漏れた。
それを聞いてか、サンジの舌の動きはどんどん激しくなる。
レナは頭が痺れるような感覚になり、身体の芯が…下半身が熱くなるのを感じていた。
(すごく…気持ちいい……)
キスをしながら、サンジの手が服の上からレナの胸に触れた。
その瞬間、レナの身体がビクンと揺れ、サンジの手をはねのけた。
それと同時に、二人の唇も離れた。
「…ごめんレナちゃん、嫌だったよね」
サンジは慌ててレナに謝った。
「違うの!びっくりしちゃって…ごめんなさい」
レナは顔を赤くして俯いた。
何となく気まずい空気になり、サンジが立ち上がった。
「それじゃあ俺、明日の仕込みがまだだから…」
そう言って、出ていってしまった。
レナはびっくりして手をはねのけたのではなかった。
少し胸に触れられただけで、身体が大きく反応するほど感じてしまっていたのだ。
それを誤魔化すためにそのような行動を取ってしまった。
(少し触られただけであんなに身体が反応するなんて…私の身体…普通じゃないよね…)
二年間、毎日犯されていたことは、レナの身体に染み付いていた。
いつでも、誰とでも、感じる身体にされてしまった。
好きな人に触れられて、感じない訳がなかった。
レナは履いていたショートパンツの中に手を入れ、ショーツに触れてみた。
ショーツは何かを零したかのように、ぐっしょりと濡れていた。
(キスだけでこんなになるなんて…変だよね…それに…)
レナの大事なところは、あの二年間で何回も、何百回も男の物が入った。
しかも一人の男だけではなく、何十人も。
(私、汚い…過去のことを隠したままサンジと同じことなんて…できない…)
先ほどまでの幸せな気持ちは欠片もなく、この先を思う不安な気持ちで朝まで過ごした。