第7章 甘い時間 ★
第七章 甘い時間
サンジと付き合い始めて一週間が経った。
サンジのナミとロビンに対する態度は相変わらずだったが、レナも相変わらず、気にも留めていなかった。
理由は、サンジが女性に対してあのような態度なのは彼にとって息をするのと同じで、そういうふうにしか接することができないとわかっているから。
それに…
自分を思ってくれていることが、痛いほど伝わってくるから、レナは嫉妬や心配などまったくしていなかった。
「おはよう、レナちゃん」
朝食の準備のためレナがキッチンに入ると、サンジは何をしていても手を止めて挨拶してくれる。
そして必ず、レナを抱きしめた。
「レナちゃん…今日も可愛いよ…」
「あっありがとう、サンジ」
このやりとりは、毎朝の恒例行事となっていた。
サンジの気が済むまで、腕が緩むことはなかった。
レナが配膳を行っていると…
ぎゅっと、後ろから抱きしめられた。
「レナちゃん…好きだよ…」
「私も…好き…」
誰もいない甲板でレナが洗濯物を干しているときも…
「レナちゃん」
サンジの声を聞いて振り返ると、同時に正面からぎゅっと抱きしめられる。
「はぁ…レナちゃん…」
ため息交じりに、幸せそうに名前を呼ぶサンジ。
そしてこのときもしばらく腕が緩むことはなかった。
このように、サンジは所構わずレナを抱きしめ、思いをぶつけてくれた。
もちろん仲間の目に触れない所でだったが、仲間がいるときでもサンジはレナを自分のそばに置きたがった。
レナはサンジのその態度が、嬉しくてどこかくすぐったかった。
ナミやロビンのようにメロメロな態度で接することは一度もないが、レナの前だけで見せてくれる男らしいサンジが大好きだった。