第6章 結ばれた想い
レナがサンジのもとへ向かったのは、夜も更けた頃…
サンジは今日、不寝番のため展望台にいた。
いつもなら飲み物を持っていくレナだったが、今日は手ぶらだった。
夕食でも何も話をせず、また準備や片付けなど一切手伝っていなかった。
展望台へ向かうレナは、緊張で手に汗を握っていた。
「サンジ…」
梯子を登り、展望台へと入ったレナは、恐る恐るサンジの名を呼んだ。
サンジはゆっくりとレナの方を見た。
「レナちゃん…一緒にいるのは無理だって…言っただろ…」
「…聞いてほしいことがあるの…」
「…俺は何も聞きたくないよ」
サンジにそう言われ一瞬怯んだが、昼間のゾロの言葉を思い出し、再び勇気をふりしぼった。
「私ね…」
好きだという気持ちは溢れ出してくるのに、それが言葉となって出てこない。
サンジにこの想いを伝えたいのに…言い出せない。
「もうこれ以上…俺にみじめな思いを「好きなのっ…」
サンジの言葉をさえぎって出てきたのは、レナの渾身の一言だった。
「私…サンジのことが好き」
「…何言ってんだよ。レナちゃんはあのマリモ野郎のことが好きなんじゃねぇのかよ…」
「…どうしてそう思ったの?誤解してるなら…説明させて…」
レナは目に涙を浮かべながらサンジを見つめた。
「…レナちゃんが甲板でアイツと話していたとき…見たことないような顔してた。恋してるような顔で…めちゃくちゃ可愛くて…あんな顔、俺には見せたことなかったから…」
「甲板で…?あ…あのときはね、サンジの話をしてたんだよ…ゾロに、サンジのことが好きだろって言われて…それで…」
レナは言いながら赤面していた。
それは、甲板でサンジが見た、まさにその顔だった。